人体には細菌やウイルスといった外敵が体内に入り込んだ際、それら外敵から体を守るために免疫という機能が備わっています。ところが、そのために働くはずの免疫機能が、本来無害な物質を外敵と勘違いして攻撃して起きるのが、一般的に言われているアレルギー反応です。
この免疫機能の勘違いを正す治療方法がアレルゲン免疫療法です。
舌下免疫療法は、免疫機能が外敵と判断しないくらい微量のアレルギーの原因物質を体内に取り入れていくことにより、原因物質に対して徐々に体を慣らしていき、アレルギーをおさえる治療法です。
※治療を実施する医師には講習が義務付けられており、治療が可能な医療機関は限られています。

長期間（3～5年）、継続的に毎日1回行う必要があります。
投与量は、増量期（1週目）と維持期（2週目以降）により異なります。

スギ花粉エキスを含んだ錠剤を舌の下に置きます。錠剤はすぐに溶けますが、1分間はそのままにし、その後飲み込みます。
最初の1週間は少量のエキスを含んだ錠剤を、2週目より通常量の錠剤を毎日内服します。1回目の舌下投与は当院にて行いますが、それ以降は毎日自宅で内服していただきます。
内服から5分間はうがい、飲食は避けてください。内服から2時間は、激しい運動、飲酒、入浴は避けてください。

残念ながら舌下免疫療法はすぐに効果の現れる治療ではありません。
アレルギーの原因物質を少しずつ体内に取り込み、原因物質に対して体を慣らしていきます。そのため治療期間が長くなることはご理解ください。また、100％の患者様に有効とは言えません。
さらに、途中でやめた場合にも効果が期待できません。
スギ花粉の飛散終了後から、治療を開始できます。
スギ花粉の飛散する時期には治療を開始できません。

詳細は確認する必要がありますが、基本的に以下の方は受けられません。
まずはご相談ください。

また、治療開始前には、血液検査でスギ花粉症の確定診断が必要です。

口腔内のかゆみ、唇の腫れ、のどの刺激感、喘息、腹痛などの軽い副作用が発生する場合があります。
まれに重篤な全身性のアレルギー反応がみられる場合があります。

日本で舌下免疫が可能なアレルゲンは、現在はスギ花粉症とダニによるアレルギー性鼻炎だけです。